紅櫻蒸溜所|札幌南区澄川

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日本酒・ワイン・ビール・ウイスキー‥、北海道内各地で次々とお酒の醸造所・蒸留所が設立されていますが、北海道で初めて設立された〝クラフトジン〟の蒸留所といえば、2018年に誕生した「紅櫻蒸溜所」。現在(2024年取材時)は、吉本さんご夫妻が三代目の作り手となり日々奮闘しています。

主に北海道内や、蒸留所のある紅櫻公園内で栽培・採取したボタニカル(植物)を使っていて、どれも北海道の四季を感じることができるフレーバーばかり。中でも特に飲んでおきたいのが、日高昆布をはじめとする和のフレーバーが満載な「クラフトジン9148#0101」。紅櫻蒸溜所の代表的な商品で、和ダシにも調和する唯一無二の味わいです。

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紅櫻蒸溜所の「店舗情報」を確認

紅櫻蒸溜所の「施設外観」
「施設外観」

紅櫻蒸溜所があるのは、南区〝澄川エリア〟にある「紅櫻公園」の一画。最寄の地下鉄駅は地下鉄南北線「真駒内駅」ですが、徒歩だと30分くらいかかるので、タクシーを利用するのがおすすめです。車で向かう場合は、100台分ある駐車場が無料で利用できます。

店舗情報
施設名:紅櫻蒸溜所
住所:北海道札幌市南区澄川389-6(紅櫻公園内)
電話番号:011-211-8215
営業時間:11:00〜16:00
定休日:要確認
駐車場:あり(施設駐車場100台・紅葉シーズン入園料500円)
公式HP/SNS:公式HPInstagram
外部サイト:-
地図を表示:Googleマップへ

紅櫻公園の入口
紅櫻公園の入口

なお紅櫻公園にお客さんが殺到する秋の紅葉シーズンは、公園入園料が別途500円かかります。色々なサイトに入場料の記載がありますが、2024年現在は常に入園料がかかる訳ではありません。

「人気・おすすめ商品」

紅桜蒸留所の「クラフトジン9148#0101」
「クラフトジン9148#0101」5,500円(購入時)

紅櫻蒸溜所の代表的な商品が「クラフトジン9148#0101」です。蒸留所開設時から続く伝統的なフレーバーで、北海道産〝日高昆布・干し椎茸・切干大根〟をメインに据えた、辛口ながらうま味も感じられるあと味が特徴的。初代の蒸留技師さんが北海道らしさを追求した末に誕生した、日本らしさが味わえる唯一無二のジンなんです。

商品名の〝9148〟は、作中にジンが登場するジョージ・オーウェルの小説「1984」が由来。1949年に刊行されたこの小説の中では自由のない管理社会が描かれていますが、自由な社会であるユートピアを目指し、「19」と「84」をそれぞれ逆にし名付けられました。

紅櫻蒸溜所の「クラフトジン9148#0396 SAKURA」
「クラフトジン9148#0396 SAKURA」5,500円(購入時)

紅櫻蒸溜所のジンには、どれも北海道内や紅櫻公園内で採取したものを使っています。ベースとなるスピリッツにどのボタニカルを加えるかは、作り手の発想次第。春は桜の花びらや葉っぱ、秋には紅櫻公園内の紅葉など季節ごとの植物を使い、独特のフレーバーを作り上げているんです。

約10種類ある商品の中で、特に面白かったのが「クラフトジン9148#1922」。甘い香りのラベンダーにトマトやジャガイモなどの野菜を加えた、とっても珍しい組み合わせなんです。中には、生産量が少なくなり絶滅の危機にある〝札幌伝統野菜〟までもが含まれるというこだわりっぷり!まさに地産地消と呼ぶのにピッタリの商品です。


蒸留所と見学方法について

紅櫻蒸留所の「ポットスチル」
蒸留用の「ポットスチル」

紅櫻蒸溜所では、営業時間内なら蒸留所内の見学をすることができます。蒸留に使用する〝ポットスチル〟は、イタリア・バリソン社製の400L蒸留器。一度に約250~300本分を製造することができる比較的小さなものですが、実際に目の前にするとなかなかの見ごたえ!柵越しに眺めたり、2階から見下ろしたり、またタイミングが合えば近くで見せてもらえるかもしれませんよ。

紅櫻蒸溜所の販売所・試飲会場
2階の販売所&試飲会場

2階はクラフトジンの販売所になっていて、各商品の購入が可能。3種類の基本フレーバーの他、季節限定フレーバーも並びます。それぞれ無料試飲ができるので、飲み比べてお気に入りの1本を見つけてみてくださいね!

なお衛生上の観点から、蒸留・瓶詰めなどの作業中は建物への入場ができません。また少人数で作業を行っているため、不在時は入場することができない場合もあります。訪問する場合はあらかじめ公式HPから予約をし、訪問時間を伝えておくのがベターです。

三代目蒸留技師「吉本さん」にインタビュー

紅櫻蒸溜所の三代目蒸留技師「吉本塁」さん
三代目蒸留技師「吉本塁」さん

2024年8月現在、紅櫻蒸溜所では三代目蒸留技師の「吉本塁さん」が、ご婦人の「奈津季さん」と共に日々奮闘しています。

以前東京で働いていた吉本さんは、2022年に札幌へUターン。お二人ともウイスキーが好きだということもあり、しばらくは北海道の各酒蔵や酒販店を巡っていたのだそう。そんな折、二代目の蒸留技師さんが引退することとなった紅櫻蒸溜所の求人を見つけ、すぐに応募。2024年より、塁さんは蒸留技師として伝統の味を引き継ぎ、奈津季さんが営業と広報を兼任しています。

紅櫻蒸溜所の三代目蒸留技師「吉本塁」さん
紅櫻蒸溜所の蒸留技師「吉本さんご夫婦」
吉本塁さん・奈津季さんご夫婦

当面の目標は、今までに紅櫻蒸溜所のファンになってくれた方々をガッカリさせない様なジンを作り続けることだと語ります。自分が一番おいしいと感じる紅櫻蒸溜所のジンが、自分の代で味が悪くなったと思われない様、今までのクオリティを保つことを優先し、蒸留方法も都度見直しています。

とはいえ、初代・二代目の蒸留技師さんからはそれぞれ〝ジンは作り手によって味が変わる〟〝作り手の個性を活かした方が良い〟と助言を受けているのだそう。そこで現在はメンバーズクラブの会員限定で、年に2回のみ吉本さんのレシピで作るオリジナルのジンの発送を行っています。レシピの構想はたくさんあるそうなので、これから登場するであろう新たなラインナップを楽しみに待ちましょう!


見学後は「紅櫻珈琲」でティータイム

紅櫻珈琲の店舗外観
「店舗外観」

蒸留所の見学後は、向かいにある「紅櫻珈琲」に立ち寄ってみてください。自家焙煎の珈琲や軽食の他、クラフトジンも一杯単位で楽しめます。またクラフトジンの販売所も設けられているので、蒸留所に入ることができない場合はこちらで購入しましょう。

紅櫻珈琲の「キューバサンド」
「キューバーサンド」900円(訪問時)

フードメニューの「キューバーサンド」には、ハムやチーズ・ピクルスと一緒に、キューバ料理の「モホローストポーク」をサンド。モホは柑橘系とハーブのソース・漬けダレのことですが、紅櫻珈琲のキューバーサンドはここに〝クラフトジン〟を加えていることが大きな特徴です。とっても柔らかく仕上がっていて、独特なジンの風味が口の中に広がります。

紅櫻珈琲の北海道熟成カレー
「北海道熟成カレー(リトルスプーン)」800円(訪問時)

もう一つのフードメニュー「北海道熟成カレー」にも注目。ここでは最盛期に60店舗以上を展開していたかつての人気カレーチェーン店〝リトルスプーン〟のカレーを提供しているんです。たっぷり溶け込んだ玉ねぎの甘さが特徴で、特に40代以上の方はきっと懐かしいと感じるはず。豊平区にある〝こめます〟でも提供していすが、この2店舗でしか食べられない貴重な味わいです。

紅櫻珈琲の「9148ソフトクリーム」
「9148ソフトクリーム」500円(訪問時)

わたしのイチ押しは「9148ソフトクリーム」。クラフトジンのボタニカルを使ったノンアルコールのソフトクリームです。今回は第1段フレーバーの〝ハマナス(9148#0104 HAMANASU)〟をいただきましたが、とてもさっぱりしていてキレが良く、清涼感も感じられる夏にピッタリな仕上がりでした。今後、新フレーバーも登場予定とのことなので、ぜひ食べに向かってみてくださいね!

店舗情報
施設名:紅櫻珈琲
住所:北海道札幌市南区澄川389-6(紅櫻公園内)
電話番号:011-581-4858
営業時間:11:00〜16:00
定休日:月曜(祝日の場合は営業)・紅櫻公園定休日・冬季休業
駐車場:あり(施設駐車場100台・紅葉シーズン入園料500円)
公式HP/SNS:InstagramX
外部サイト:-
地図を表示:Googleマップへ

高井なお

わざわざ道外から訪れる方も多い、紅櫻公園内にひっそり佇む穴場のクラフトジン蒸溜所。無料で見学&試飲でジンを味わった後は、すぐ向かいの紅櫻珈琲でジンのアレンジメニューを食べて、「クラフトジン9148」を味わい尽くしてみてください!

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