六花亭のひとつ鍋に使われる「大福豆」のニオ積みを体験

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浦幌町「十字農場」で大福豆ニオ積み体験
@hokkaido.gourmet 北海道グルメのことなら @eat_in_hokkaido をフォロー / 六花亭の銘菓「ひとつ鍋」の餡に使われる大福豆🫘 十勝 浦幌町「十字農園」で収穫・乾燥作業を体験👩‍🌾 \ 2日目だったこの日はなんと!! 六花亭の社員さんと 一緒に作業をさせていただきました🙇‍♀️ 日常おやつで大変お世話になっている🍪 愛してやまない六花亭の社員さんと 直接お話できる奇跡のような時間🥹🙌 手を動かしながら脳もフル回転🧠 今まで疑問だったことや 好きなところ etc 一緒のチームだった工場長をはじめ 社員の皆さんに思う存分伝えてきました〜❣️🥰 この日の大福豆は 来年 店頭に並ぶ「ひとつ鍋 大福餡」に 使われるとのことで、 関われたことに感無量🫘🥹 大変だろうとは想像していたけれど… 想像以上に重労働でした🫠 この乾燥方法「ニオ積み」は 手作業でたくさんの人手が必要なため、 今では行う農家さんはほぼいないのだそう。 「六花亭さんに なるべくキレイな豆を納品したい」 という十字さんの誠実な想いを感じ 六花亭さんを愛するわたしは胸が熱くなりました。 高品質でおいしい大福豆を 作ってくださる十字さん👨‍🌾 「ひとつ鍋 大福餡」を食べるときは、 ぜひ皆さんもこの光景を思い出しながら 味わっていただけると嬉しいです☺️ ━━━━𐝏story━━━━━━━ 北海道全域を駆け巡るグルメライター「高井なお」です🙋‍♀️ “閉店する飲食店を減らしたい” という思いから2016年1月よりブログ運営を開始。 2018年にMOGTRIPを立ち上げ 現在に至ります。 地産地消のおいしいグルメを食べている時が 1番幸せ😋♡ 新旧問わず 穴場店を開拓するのも 大好きです。 飲食店のストーリー・こだわりなどの背景を知っていただき お店選びの参考にしていただけるとうれしいです🍝🍣🍰 仕事のご依頼・メディア出演依頼も随時受付中☺️ お気軽にメッセージください📨 ⬇️プロフィールはこちら @eat_in_hokkaido ━━━━𐝏Tag━━━━ #北海道グルメ #浦幌町 #十勝グルメ #十字農場 #大福豆 #六花亭 #ひとつ鍋 ♬ Stylish cafe-style BGM – Hiro Hattori

北海道が誇る菓子メーカー・六花亭の銘菓「ひとつ鍋」。その餡に使われる〝大福(おおふく)豆〟の生産をする十勝 浦幌町(うらほろちょう)「十字農場」で、豆の収穫・乾燥作業〝ニオ積み〟を体験してきました。

昔は北海道で多く生産されていた大福豆ですが、現在は生産農家が減少し、道内ではわずかな面積(約50ヘクタール)でしか生産されていない希少な豆です。この記事では、十字農園や大福豆、今回体験してきた〝ニオ積み〟のようすを紹介していきます。

なお職業柄色んなお菓子を食べる機会がある筆者ですが、よくお世話になっているのが六花亭さんです。おいしい上に原材料にもこだわっていて、その上100円台から買える単品菓子が多くコストパフォーマンスも最高!いつも「道民でよかった!」と感謝を噛みしめながら味わっているほど、六花亭さんのお菓子が大好きなのです。

高井なお

六花亭さんを愛してやまない筆者にとって、この日は人生の記念に残る特別な日でした……!六花亭の社員さんたちと一緒に農作業してきたので、このレアな光景もぜひご覧ください。

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「十字農場」はどんな農場?

「十字農場」の看板

今回取材させていただいた「十字農場」は、十勝エリア・浦幌町にある農場です。約20ヘクタールの広さの畑で、豆(大福豆・大豆・えりも小豆・あかね大納言・大正金時豆・絹てぼう豆・秋晴れ)・ビート・小麦(春よ恋)などを栽培しています。

十字農場の4代目・十字 満(みつる)さん

この日お話を伺ったのは、十字農場の4代目・十字満さん。農業高校・大学を卒業後、農家の道に入り、現在はおもにご両親と3人で農業を営んでいます。十字さんとは、とある講座で出会ったのがきっかけで意気投合。この度農園を訪れるご縁をいただき、1泊2日で取材・体験をさせていただきました。

高井なお

十字さんは現在45歳で筆者と年齢が近いこともあり、すごく話しやすくて助かりました。どんな質問にもわかりやすく丁寧に答えてくれるので、勉強になることも多くて楽しかったです!

六花亭「ひとつ鍋」にも使用される〝大福(おおふく)豆〟とは?

真っ白に輝くツルツルの「大福豆」
ツル性で支柱が必要な大福豆は〝高級菜豆(さいとう)〟と呼ばれています

「大福豆」は、真っ白ないんげん豆。〝だいふくまめ〟と読んでしまいがちですが、正しい読み方は〝おおふくまめ〟です。西日本では斗六豆(とうろくまめ)、十六寸豆(じゅうろくすんまめ)などど呼ばれることもあります。これは豆を長径方向に10粒並べると、ちょうど6寸(18.2cm)になるからだそう。

大福豆のおもな産地は北海道。ですが、現在は総面積で約50ヘクタールしか栽培されていません(そのうち4ヘクタールが十字農場)。昔はもっと多く生産されていましたが、栽培に手間がかかるため近年は生産農家が激減。今ではとても希少な品種となりました。

六花亭の「ひとつ鍋 大福餡」に使われている大福豆は、北海道の数軒の農家さんが担っていますが、シェアNO.1はココ「十字農場」さんなんですよ!ちなみに十字農場では、2023年の3ヘクタールから2024年は4ヘクタールに拡大しており、年々生産量が増えているそうです。

十字さんの大福豆はすべて「ひとつ鍋 大福餡」に使用
箱の裏には依田勉三が読んだ句が書かれています

そんな大福豆が使われている六花亭の銘菓「ひとつ鍋」は、十勝開拓の祖・依田勉三が開拓当時に読んだ句〝開墾の始まりは豚とひとつ鍋〟に由来するお菓子です。1952年に帯広市開基70周年と市制施行20年の記念菓子として発売され、その歴史はなんと70年以上……!お鍋型の最中に餡と求肥が入った和菓子で、大福餡のほかに小倉餡とこし餡があります。

発売当初「ひとつ鍋(大福餡)」には、大福豆100%の白餡が使われていました。しかしその後、価格の乱高下があり安定供給が難しくなったため、大福豆と手亡豆をブレンドした白餡に泣く泣く変更することに。元の大福餡に戻すべく、5年前から六花亭さんの生産者探しが本格的にスタート。そこに唯一手を挙げたのが十字さんでした!そして2023年11月10日、ついに〝大福餡(大福豆100%)〟に生まれ変わり、元来の姿で店頭に並んでいるというわけです。

高井なお

大福豆100%の餡が復活したのは、十字農場で大福豆栽培をスタートしてから実に5年目!「ひとつ鍋 大福餡」の復活を目指して、未経験だった大福豆の栽培を決めてくださった十字さん。六花亭ファンとして、厚く御礼申し上げます!!


大福豆の収穫作業のひとつ「ニオ積み」を体験

豆の自然乾燥作業「ニオ積み」を終えた畑のようす

今回体験させていただいた(しかも!大好きな六花亭の社員さんと一緒に!)「ニオ積み」は収穫した豆を自然乾燥させる作業のこと。収穫した豆を木製の台の上にツルごとのせて山を作り、雨除けのビニールシートをかけ自然乾燥させていきます。メリットは、豆の白さがキレイに保たれること。反対にデメリットは、多くの人手が必要なことと、作業期間が長くなってしまうこと。そのため、現在は行う農家さんが極めて少なく、コンバインやビーンズレッシャーなどの機械で収穫→乾燥するのが一般的だといいます。

「なぜ手間がかかるニオ積みにこだわるのか?」
十字さんに伺ったところ「六花亭のお菓子が大好きで、〝六花亭クオリティ〟を知っているからこそキレイな豆を納品したいんです。」とのことでした。色々話を聞いていくと、栽培方法や作業の効率化など、日頃から研究を怠らない十字さん。自身で撮影した写真と、毎年集めているさまざまなデータをもとに、年ごとに栽培記録本の制作までされているんですよ。(とてもわかりやすくハイクオリティで驚きました……!)

▼ニオ積みまでの一連の作業

STEP
播種(種まき)

整地した畑に種をまく

STEP
竹立て

発芽後、ツルの支柱となる竹を立て、4本ひと組みにしてゴムでまとめる

STEP
ツル上げ

支柱に巻き付けなかったツルを支柱に巻き付けて固定する

STEP
根切り

ニオ積みの2週間ほど前に、葉とツルを枯らすために根とツルを切る

STEP
ニオ積み

葉とツルが枯れて黄褐色になったら、自然乾燥作業「ニオ積み」を実施

ニオ積みが終わった後は、サヤに入ったままの状態で大福豆を自然乾燥させます。自然風に20~45日間当てて豆の水分量を低下させた後、脱穀→乾燥作業へと移行。水分量が18%程度になるまで豆を乾燥させ、出荷に至ります。

ニオ積みが終わった畑は圧巻の景色です!

このニオ積み作業、現在参加を受付けているのは十字さんと繋がりのある方のみ。今後は〝ひとつ鍋を楽しみにしてくださるお客様〟など、一般の方にも何らかの形で参加いただけたらと考えているそうですよ。

六花亭の有志による「援農(えんのう)」

ニオ積み作業に向かう六花亭の社員さんご一行

ニオ積みは機械を使うことができず手作業で行わなければならないため、多くの人手が必要になります。そのため毎年〝援農〟という形で、六花亭の有志の方たちが作業の手伝いにいらっしゃっているのだそうです。この日は筆者も、六花亭の社員さんたちと一緒にニオ積み作業を体験させていただきました。

満さんとお母さんが「ニオ積み」の一連の流れを説明してくれます
作業のお手本を見ながらイメージを膨らませます

ふだん農作業をしていない筆者には〝きっと大変だろう‥〟と想像してはいましたが…。実際に体験してみると、普段使わない全身の筋肉がフル稼働!軍手をはいていても手は真っ黒になるし、植物の細かいチリが目に入ったりで、慣れない作業に悪戦苦闘。いい運動にはなりましたが、後日全身が筋肉痛にw。たった3~4時間の体験でこれなのだから、毎日この作業をこなしている農家さん達はこの何百倍も大変なのだと実感します…。本当に頭があがりません。

わたしが作業したチームには、六花亭の工場長さんが一緒でした。「こんな機会はもうないかも!」と、ニオ積みをしながら脳みそもフルに使い、ここぞとばかりに六花亭愛を伝えたり、気になっていたことを質問したりで大忙しw

この日、初心者のわたしたちが作業したのは午前中の約3~4時間ほど。4人1チームでがんばって作業したにもかかわらず、たったの4山しか完了させることができず…。機械が使えない分、作業量も膨大で、慣れていても大変な労力が必要だと感じました。なお十字農場で栽培しているのは、約4ヘクタール分(200m×200m)の大福豆。全部終わるころには何山できているんだろう…。考えただけでゾッとします。

ちなみに十字農園では年々大福豆の生産量を増やしていますが、それに伴うように援農に参加する六花亭社員さんも増え続けているそうですよ。(2023年:のべ17人→2024年:のべ25人)


最後に、六花亭「ひとつ鍋 大福餡」を実食レビュー

「ひとつ鍋」は左から小倉餡・大福餡・こし餡の全3種類

六花亭の銘菓「ひとつ鍋」は、お鍋の形をした最中に餡と求肥が入った最中。発売は1952年ととっても古く、2022年で発売から70周年を迎えた歴史あるお菓子です。ラインナップは全部で3種類。ベーシックに小豆を使った〝小豆餡(つぶ餡)〟と〝こし餡〟。それと、ここで紹介する〝大福餡〟のひとつ鍋が販売されています。

大福豆の不足により、長く〝大福豆と手亡豆をブレンドした白餡〟に変更することを余儀なくされた大福餡のひとつ鍋。十字農場の協力があり、2023年、ついに〝大福豆100%の大福餡〟が復活しました!

香ばしい最中の中には、大福餡がギッシリ!ねっとり甘くなめらかで、豆の風味がほんのりとただよってきます。求肥のもちもち食感に加え、粒を残した大福豆の食感がいいアクセントに!しっかり甘いのに、飽きずに最後までおいしくいただけました。抹茶や濃いめの煎茶をあわせるのがベスト。よりおいしく感じられるはずですよ。

高井なお

一般的な白餡とは一線を画す風味が特徴的。豆の粒が残る白餡って地味にめずらしいですよね。十字さんが手塩にかけた大福豆が存分に活かされていて、六花亭さんの愛を感じます。

▼価格
・単品 各150円
・6個入(3種×2個)980円

⇒ 「六花亭」公式オンラインショップ

ちなみに、十字さんの大福豆はすべて六花亭さんに出荷しているため、一般には出回っていません。ぜひ「ひとつ鍋 大福餡」を購入し、畑の光景を想像しながら大福豆を味わっていただけるとうれしいです!

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