幻の小麦・ハルユタカを含む全4品種を生産!江別「小麦農家・萩原英樹さん」を取材
北海道の飲食店を4500店以上食べ歩いた 道産子グルメライター 高井なお です
小麦全体の15%を占める国産小麦のうち、60%以上を生産しているのが北海道。
中でも 札幌のとなり町「江別市」は、キャッチコピーに〝麦の里〟を掲げるほど小麦生産に力を入れていて、日本でも数少ない 幻の小麦「ハルユタカ」を栽培している希少なエリアです。
@hokkaido.gourmet \24年・4500軒以上北海道グルメ食べ歩き/ グルメライターのおすすめグルメを紹介??♀️ ➡ @eat_in_hokkaido * フォロー・コメント・保存 とっても嬉しいです❁ / 江別で生産される全4種類を生産する? 小麦農家【萩原 英樹さん??】を取材しました??? \ 萩原 英樹さんは 「江別の麦の会」の会長も務める 江別小麦農家のキーマン? 札幌の隣町 “江別市” で生産されている小麦 ? ①ハルユタカ ②ゆめちから ③春よ恋 ④きたほなみ 4種類全てを生産している 唯一の農家さんなのです✨ 江別市の小学校では 小麦の食育授業が盛り込まれていて、 その講師を務めることもあるという 萩原 英樹さん?? これから小麦の生育にあわせて 複数にわたって畑を取材させていただきます??♀️ 運営メディア「MOGTRIP」にも 記事をアップするので お楽しみに~☺? _______________________ ?うす味・ヘルシー・質にこだわるグルメが好き ?実食して「おいしい」と思うグルメ情報だけを発信 ✈ あなた好みの「おいしい」に出会う きっかけになれたなら最高に幸せです☺? / おいしい「北海道グルメ」で平和な世界を?? \ ▼ 運営サイト ▼ 【MOGTRIP北海道 | グルメ】 @mogtrip.hokkaido (?https://foodies.ltd/mogtrip/ ) 【GIFTRIP | お土産・お取寄せ】 @giftrip_mogtrip (?https://mogtrip.net/gift/) _______________________ #北海道 #道産小麦 #江別小麦 ♬ Stylish cafe-style BGM – Hiro Hattori
江別市の土壌や気候は小麦栽培に適していて、小麦を雪の下で発芽させる〝初冬まき栽培〟という独特の栽培方法が普及しています。
筆者が最初に畑を訪れたのは、2024年4月27日。江別市で生産される全4品種の小麦をすべて栽培している、萩原 英樹(はぎわら ひでき)さんの農場を取材させていただきました。
小麦農家「萩原英樹さん」と農場について
今回お話を伺った 萩原 英樹さんは同農場の5代目。東京で農業を学び、江別市にUターン。実家のお父さんの後を継ぎ、農家としての道を歩み始めました。
現在は江別市内の複数箇所に畑をもち、その広さは全20ヘクタール・札幌ドーム約9個分にもなるそうです。また小麦以外にも〝大豆・ビート・加工用じゃがいも・スイートコーン・白菜〟など、たくさんの農作物を生産しています。
色々お話を伺ったところ、スタートしてから20年ほどは収量が安定せず、大変なことも多かったのだとか……。
ここからは小麦について、一緒に学んでいきましょう♪
小麦は大きく分けて「春まき・秋まき」の2種類
江別市でおもに栽培されている小麦は、〝ハルユタカ・春よ恋・きたほなみ・ゆめちから〟の4品種です。それぞれ種をまくのに適した時期があり、大きく分けて〝春まき小麦〟‶秋まき小麦〟とに分類されます。
▼ 播種時期と品種を比較
播種の時期 | 適した品種 | |
---|---|---|
春まき小麦 | 春(3月頃) | ① ハルユタカ(強力粉用) ② 春よ恋(強力粉用) |
秋まき小麦 | 秋(11~12月頃) | ③ きたほなみ(中力粉用) ④ ゆめちから(超強力粉用) |
おもに〝小麦粉〟に加工されて世に出回る小麦。日本で栽培されているのは「中力粉~超強力粉」の品種です。
スーパーなどで北海道産小麦の薄力粉を見かけることもありますが、あれは薄力粉ではなく〝中力粉〟なのだそう。知らなかった~!
江別市ではさらに、雪が降る直前に種をまく〝初冬まき栽培〟も行われています。
一般的に〝春まき小麦〟とされるハルユタカですが、病気に弱く収量がなかなか安定しませんでした。そこで‶初冬まき栽培〟を採用してみたところ、収量や品質の向上につながったのだといいます。
初冬まきは‶江別市発祥〟の栽培方法。まいた種は‶雪の下で発芽する〟のだそうです!
なお初冬まき栽培については、次の「ハルユタカ」の項でくわしく解説していきます ^^
江別で1番の作付面積を誇る、幻の小麦「ハルユタカ」とは?
江別市で栽培されている品種のうち、一番 生産面積が大きいのが「ハルユタカ」です。病気や雨に弱いため、‶幻の小麦〟とも呼ばれる希少価値の高い品種。滝川市・下川町・美深町などでも栽培されていますが、その中でも江別市が道内の一大生産地として広く知られています。
- 小麦農家の戸数 ‥ 158戸 ※ 農家全体の戸数は345戸
- 小麦の作付面積(ha)と収量(t)‥ 1,550ha(6,620t)
- 品種別小麦の作付面積(ha)と収量(t)
- ハルユタカ 536ha(1,955t)
- ゆめちから 498ha(2,759t)
- 春よ恋 484ha(1,685t)
- きたほなみ 32ha(221t)
※記載の数字は2022年(令和4年)のもの。
前述のとおり、ハルユタカは‶初冬まき栽培〟で生産されています。これは 根雪になる直前に春まき小麦の種をまき、翌春の雪解け後、地温の上昇とともに大きく生育させる栽培方法のことです。
北海道の各地でも 初冬まき栽培を実施した地域はありますが、そのほとんどが失敗に終わりました。積雪が少なかったり土壌凍結する地域には向かない栽培方法ですが、この条件に合致した江別市では 初冬まきが広く普及しています。
実際に萩原さんにお話しを伺ったところ、萩原さんも 春まき栽培を行っていた最初の20年間は収量が伸びず失敗の連続だったそう。
ですが、萩原さんの大先輩である農家さんが試しに 初冬に種をまいてみたところ、なんと 翌年すぐに成功! 革命的な出来事です。
ちなみに〝初冬まき栽培〟は、農水省から表彰された 画期的な栽培法なんですよ。
ちなみにですが、一般的な小麦は約10年のスパンで次の品種へと移り変わっていきます。その中でもハルユタカは約40年も続いていて、今出回っている小麦の中でも〝最古の品種〟なのだそう!萩原さんにハルユタカの魅力を伺ったところ、「食パンにした時の香りが圧倒的に違う!」と教えてくれました。
▼収穫作業の流れ
江別市内で買える!江別小麦を使った「おすすめ加工品4選」
ここからは、江別産小麦を気軽に味わうことができる加工品をご紹介していきます。すべての商品が 江別の主要スポットで買えるので、立ち寄る際はぜひ足を運んでみてください ^^
おすすめ ①:小麦をダイレクトに味わえる「食パン」
小麦の香りをダイレクトに楽しみたい!そんなあなたには、江別市内にある‶ゆめちからテラス〟で買うことができる「はるゆたか小麦とゆめちから全粒粉入りのパン」がおすすめです。
ふわっと広がる小麦のふくよかな風味が感じられ、ほどよい弾力が心地いい◎ トーストしてもおいしかったです。
この日は平日15:00の訪問で、運よく最後の1個を買うことができました♪週末は早く売り切れることが予想されるので、なるべく早めの来店が確実ですよ。
おすすめ ②:毎日の調味料として使える「麦味噌」
個人的に1番おすすめしたいのが「麦味噌」!いつもの味噌をこれに変えるだけで、ワンランク上の美味しさを味わうことができるんです!麦麹ならではの淡い香ばしさと深味が、毎日のお味噌汁を美味しくしてくれますよ。
九州ではよく食べられているそうですが、北海道ではあまり見かけることがありません。見かけたらぜひ手に取ってみてほしい逸品です。
おすすめ ③:ラーメン・うどんなどの「麺類」
小麦の加工品なら、毎日の食事に気軽に取り入れられる「麺類」もはずせません。中でもイチ押しが、江別市のゆるキャラ・えべチュンが大きく袋に描かれた「えべチュンらーめん」です!
江別産小麦100%の麺の中には、幻の小麦「ハルユタカ」がなんと50%以上も使われているのですから驚きです!市内にある製麺会社「菊水」さんの製造なので、メインの素材から加工までが江別市内で完結していることになります ◎
フライ麺ではなく〝寒干麺〟なので、おいしい上に低カロリーなのも嬉しい限り♪
番外編: 新発売「ビール」もおすすめ!
2024年4月に発売されたばかりの「HARUYUTAKA WEIZEN(ハルユタカ ヴァイツェン)」は、京都のクラフトビールメーカー・CRAFT BANK(クラフトバンク)が手掛けるひと品です。うっすら柑橘を感じるライトな飲み口で、暑い日にゴクゴク飲みたくなるおいしさでしたよ。
「ハルユタカ ヴァイツェン」は、江別の主要スポットEBRI内にある「EBRI STORE(エブリ ストア)」で買うことができます。このほかに江別市のクラフトビール醸造所・NORTH ISLAND BEER(ノースアイランドビール)が製造する「WEIZEN(ヴァイツェン・ハルユタカ使用)」も並んでいました。一緒に購入して、飲み比べするのも楽しいですね。
江別産小麦粉は、江別市内にあるスーパーなどで購入できます。筆者はハルユタカの強力粉を購入し、パン作りにチャレンジしてみました。形は不格好ですが……おいしくいただけて大満足!
萩原英樹さんをはじめ、江別市内の農家さんたちが一生懸命育ててくれる「江別小麦」。今回収穫までの一連の流れを複数回取材させていただきとても勉強になりましたし、より身近に感じることもできました。
製粉会社「江別製粉」や製麺会社「菊水」など、生産から加工までを市内で完結できる〝麦の里えべつ〟。これからも江別小麦で地域がより活性化し、そのおいしさがひとりでも多くの方に伝わることを願っています。